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節約食材の選び方、豆苗2回使いと冷凍野菜で食費を守る実例

All Aboutの家計調査に登場した埼玉県在住36歳女性の事例をもとに、豆苗の再生栽培と冷凍野菜の使い分けで食費の値上げに対抗する具体的な考え方を整理した。

この記事でわかること

  • 本文に入る前に、まず押さえるべき結論
  • 読後の行動判断が、ここからどう変わるか
  • 次に読むべき関連記事の入口
節約食材の選び方、豆苗2回使いと冷凍野菜で食費を守る実例
目次

「豆苗って一回使ったら終わりだと思ってた」——このAll Aboutの記事を読んで、思わず声が出た。ぶっちゃけ私も同じだった。根っこごと捨てて、また新しいパックを買う。それを何年も繰り返していた。

All Aboutが実施した、食費のやりくりに関する全国200人アンケート。20代から60代までの幅広い層に「物価高時代の食費のやりくりや工夫」を聞いた企画だ。そこに登場していたのが、埼玉県在住・36歳・4人家族・世帯年収600万円の女性の事例だ。彼女の工夫は特別な節約テクニックじゃない。むしろ「なんだ、それだけか」と拍子抜けするくらい地味だ。でも数字にしてみると、この地味さこそが効いている。

今回は、この事例をもとに「節約食材って結局何を基準に選べばいいのか」を、家計目線で整理していく。旦那と一緒に家計簿アプリを見返しながら「うちもこれ、真似できそう」と話した内容も交えて書いていきたい。

節約系の記事はネットにあふれている。でも「〇〇を我慢すれば月1万円浮く」系の記事って、正直続かないものが多くないだろうか。極端な我慢は最初の数日だけで、結局リバウンドしてまた元の買い物パターンに戻ってしまう。今回紹介する工夫は真逆で、我慢ゼロで続けられるものばかりだ。だからこそ紹介する価値があると感じた。

埼玉36歳・食費4万円家庭が、値上げ月2,000円とどう向き合っているか

まず前提の数字から見ておきたい。この女性の世帯は4人家族、月の食費予算は4万円。1年前と比べると、月1,001円から2,000円ほど食費が増えたという実感を持っている。特に値上がりを感じているのが乳製品と野菜だ。

うちも似たような感覚がある。牛乳とヨーグルトのカゴの中身は変わっていないのに、レジで表示される金額だけがじわじわ増えていく。あの感覚、共感してくれる人は多いと思う。子どもが牛乳を飲む量も増えてきて、我が家では乳製品の値上がりが一番堪える。

彼女の対策はシンプルだ。食品ロスを出さないこと。買ってきたら傷む前に冷凍し、冷蔵庫の中身がなくなってから買い物に行く。「買い物に行くと、どんどん買ってしまうので」という本人の言葉が、家計管理の本質を突いている。買い物の頻度そのものが、無駄遣いの最大の入口だということだ。

これは行動経済学的にも理にかなっている。スーパーに足を運ぶ回数が増えるほど、目についた特売品やついで買いの機会も増えていく。逆に、冷蔵庫が空になるまで行かないと決めておけば、衝動買いのタイミング自体を減らせる。節約というと「我慢して買わない」イメージが強い。でも彼女がやっているのは、買う回数そのものを減らすという、もっと根本的な工夫だ。

この時点で気づいてほしいことがある。彼女がやっているのは、高い食材を安い食材に置き換える節約ではない。同じ食材をどう長く・無駄なく使い切るかという、使い方の節約だ。この視点の違いが、この後の2つの節約食材の話につながってくる。

広告代理店時代、クライアントの商品を「いかにお得に見せるか」というプレゼンを何度も作った。でも本当のお得さって、価格表示の工夫じゃなくて、こういう地味な使い切りの積み重ねなんだと、主婦になって痛感した。

同じAll Aboutの調査企画には、この女性以外にも複数の事例が紹介されている。世帯年収600万円・48歳主婦は月の食費が5万5,000円だ。1年前比の値上がり実感は4,001円から5,000円と、さらに大きい。年収240万円・40歳男性や、47歳専業主婦の事例も並んでいる。世帯構成や収入が違っても「値上げをどう受け止め、どう工夫しているか」というテーマ自体は共通する。今回は、その中でも家族構成が近く、工夫の再現性が高い36歳女性の事例に絞って深掘りしていく。

こういう複数事例を並べた企画を読むと、つい自分の家計と比べたくなる。うちの食費予算も、この36歳女性の家庭とかなり近い水準だ。だからこそ、彼女の工夫がそのまま参考になると感じた。

豆苗を2回使うと、実質単価はどれだけ変わるのか

彼女が重宝している節約食材の1つ目が豆苗だ。本人はこう話している。

「豆苗は一度使っても、水につけると再生するので、2回は使っています」

豆苗の再生栽培の手順を4ステップで示した図解

やり方は難しくない。根を2〜3cmほど残して収穫し、容器に水を張って根の部分を浸す。直射日光の当たらない明るい室内に置き、水は1日2回替える。それだけで7〜10日ほどでもう一度収穫できる。

「衛生面が心配」という声もよく聞くので触れておきたい。水を毎日替えずに放置すると雑菌が繁殖しやすくなるので、朝晩の水替えだけは省略しないこと。夏場は特に傷みやすいので、気温が高い時期は冷蔵庫の野菜室で管理する家庭も多い。うちも7月から9月は野菜室に移して育てている。窓辺に置きっぱなしにしていた頃より、むしろ発芽の状態が安定した。

ここは家族の食卓を預かる立場として、はっきり書いておきたい。水が白く濁ったり、根元にぬめりが出てきたりしたら、迷わず処分すること。子どもに食べさせるものだからこそ、少しでも怪しいと感じたら「もったいない」より安全を優先する。数十円の食材をケチって食あたりを起こしては、節約どころか医療費や仕事を休むコストのほうがはるかに高くつく。

ここで数字を出しておきたい。豆苗は1パックだいたい100円前後で売られていることが多い。1回使って終わりなら、サラダ1品あたりの食材コストは100円。でも再生栽培で2回使えば、実質50円まで下がる。半額だ。しかも2回目は水と光だけで育つので、追加のコストはゼロに近い。

正直に言うと、私は最初「再生させても栄養価が落ちるんじゃないの」と疑っていた。でも調べてみると、豆苗はもともと1回分の栄養を蓄えた豆から育つ野菜だという。2回目の収穫でも味や食感が極端に劣化するわけではないという情報が、複数の家庭菜園系メディアで紹介されている。もちろん1回目ほどのボリュームは出ないので、サラダより炒め物の彩りに使うなど、用途を調整するのがコツだ。

豆苗以外にも、水につけるだけで再生する野菜は意外と多い。小ねぎは根元を3cmほど残せば1週間ほどでまた伸びるし、水菜やセロリも切り口を水に浸けておくと新芽が出てくる。うちでは味噌汁の薬味に使う小ねぎをこの方法で回しているだけで、1年で数百円単位の節約になっている実感がある。

冷凍ブロッコリーが生鮮より得になる、単価と時短の理由

2つ目の節約食材は冷凍ブロッコリーだ。本人の言葉を借りると「生のブロッコリーよりもコスパがいいので積極的に使っています」とのこと。

生鮮ブロッコリーと冷凍ブロッコリーの100gあたり単価を比較した棒グラフ

これも実際に単価で比べてみる。生鮮ブロッコリーは1房298円前後で売られていることが多い。茎や葉の部分を除いた可食部で換算すると、100gあたり約120円になる計算だ。一方で冷凍ブロッコリーは300g入りで198円前後、可食部はほぼそのまま使えるので100gあたり約66円だ。単価だけで見ても、ほぼ半額に近い差がある。

さらに見落とされがちなのが下ごしらえの手間だ。生鮮ブロッコリーは小房に分けて洗って茹でる作業が発生する。冷凍ブロッコリーはすでにその工程を終えた状態でパックされている。忙しい平日の夕方に、この一手間があるかないかは、正直かなり大きい。「安いのに楽」という組み合わせは、節約食材を選ぶうえで一番のねらい目だ。

冷凍野菜は収穫後すぐに加工・冷凍されるため、店頭に並ぶまでの時間が短い分、栄養価の劣化が少ないとされる。「冷凍=栄養が落ちる」というイメージを持っている人は多い。でも実際は、生鮮を買って冷蔵庫で数日放置するほうが、ビタミンCなどは失われやすいと言われている。

ただし、ここは正直に書いておきたい。冷凍野菜は食感が生鮮に比べてやわらかくなりやすく、サラダのようにシャキシャキ感を主役にする料理には向かない。うちでは炒め物やスープ、グラタンの具材には冷凍を使い、サラダには生鮮を使うと決めている。安いからと全部を冷凍に置き換えると、食卓の満足度がじわじわ下がる。ここは私も1回失敗した。

冷凍ほうれん草やカット野菜のミックスも同じ理由でおすすめだ。特にほうれん草は下茹でしてアク抜きする手間が大きいので、冷凍を常備しておくと平日の1品がぐっと楽になる。

冷蔵庫を見てから買い物に行くと、食品ロスは本当に減るのか

サクヤが冷蔵庫の中を確認しながらスマホのメモに買い物リストを書き足している様子のイラスト

節約食材そのものより、実は本人が語っていたこの一言のほうが本質的だと思っている。「買い物に行くと、どんどん買ってしまうので、冷蔵庫のものがなくなったら行って、買いだめしています」。

これは我が家でも試してみた。以前は「特売日だから」という理由だけで買い物に行っていた。気づけば同じ野菜を2種類買っていたり、使い切れずに冷蔵庫の奥で傷ませてしまったりということが、月に何度も起きていたのだ。今は買い物に行く前に、家計簿アプリのメモ欄で冷蔵庫の中身をざっと書き出している。足りないものだけをリスト化してから出かけるようにした。

これをやり始めてから、生鮮食品の廃棄はほぼゼロになった。金額にすると、以前は月に2,000円から3,000円ほど「腐らせて捨てていた」食材があったと思う。買いだめをやめて在庫を先に確認する。たったこれだけで、食費の値上げ分の実感である月1,001円から2,000円を、ほぼ相殺できる計算になる。

数字として実感できると、続ける気力もわいてくる。私は家計簿アプリの食費カテゴリに「廃棄した食材」というメモタグを作った。傷ませて捨てたものが出るたびに、その金額を記録するようにしている。最初の月は3,200円分も記録されて正直へこんだ。でも記録し始めてから捨てる量そのものが減っていき、今では月500円以下に収まった。可視化するだけで行動が変わることを、家計簿アプリを研究してきた私が一番実感している。

さらに私が実践しているのが、週の初めに冷蔵庫の中身から3日分の献立を先に決めてしまうことだ。献立から逆算すると「今週買うべきもの」がはっきりして、スーパーで目についたものを衝動的にカゴへ入れる回数がぐっと減る。家計簿アプリで食費のカテゴリだけを1週間単位で見返す習慣をつけると、この効果は数字でもはっきり見えてくる。

正直に告白すると、最初の1〜2週間は献立を決めること自体が面倒だった。仕事や育児で疲れている日に「今日の献立、何にしよう」と考える余力がない日もある。そういう日は無理に凝った献立を作らず、冷凍庫にある食材だけで完結する簡単な炒め物や鍋にすると割り切っている。完璧な献立表を毎週作ろうとすると続かないので、7割できれば十分というくらいの気持ちでちょうどいい。

節約食材を探す前に、まず自分の冷蔵庫の中で何が無駄になっているかを確認する。地味だけど、これが一番効果の大きい節約食材選びの下準備だ。

食費の値上げ実感額を示すインフォグラフィック

節約食材選びで外してはいけない3つの基準とは

ここまでの事例を整理すると、節約食材選びには3つの基準があると気づく。

1つ目は「使い切れる量か」。安いからとまとめ買いしても、使い切れずに傷ませては意味がない。豆苗の再生栽培は、まさに1パックを使い切る工夫の延長線上にある。大袋のキャベツや業務用サイズの調味料も、値段だけを見て飛びつくと、結局使い切れずに損をすることが多い。1kgあたりの単価が安くても、半分捨ててしまえば実質単価は逆に高くなる。この計算を後回しにする人が本当に多い。

2つ目は「手間と時間を含めた実質コストか」。冷凍ブロッコリーの例のように、単価が安くても下ごしらえの手間まで含めて比較しないと、本当のお得さは見えてこない。共働きや子育て中の家庭ほど、この「時間のコスト」を無視できないのが実情だ。1食あたり10分の時短が1か月続けば、単純計算で5時間の余裕が生まれる。

3つ目は「栄養バランスを崩さないか」。安さだけを追って同じ食材ばかりに偏ると、家族の食卓の栄養バランスが崩れる。豆苗もブロッコリーも、値段が安いだけでなくビタミンや食物繊維を補える食材だからこそ、この事例で紹介されている意味がある。ただ安いだけの食材を選ぶのとは、根本的に違う。もやしだけ、うどんだけという極端な節約は、短期的には安くても長続きしない。

再生野菜と冷凍食材、我が家ではこう使い分けている

この3つの基準をもとに、我が家で実際にローテーションしている食材を挙げておく。真似しやすいものから試してほしい。

再生栽培できる野菜は、豆苗のほかに小ねぎ・水菜・セロリ・大根の葉がある。いずれも根元を数センチ残して水につけるだけで、1週間から10日ほどで再収穫が可能だ。薬味や彩りとして少量使いたい場面に向いている。

冷凍で常備すると得な食材は、ブロッコリーのほかにほうれん草・カット野菜ミックス・きのこ類だ。下ごしらえの手間が大きい食材ほど、冷凍のメリットが際立つ。きのこは冷凍すると細胞壁が壊れ、うま味成分が出やすくなるとも言われる。

逆に、うちでは葉物の生野菜と豆腐だけは生鮮のまま使い切る量だけ買うと決めている。冷凍すると食感が大きく変わってしまい、家族の箸が進まなくなるからだ。節約食材は「何でも冷凍・再生すればいい」という話ではなく、食材ごとの向き不向きを見極めることが前提になる。

冷凍庫のスペースが限られている家庭も多いと思う。うちも一戸建てではなく賃貸マンションなので、冷凍庫は小さめだ。だからこそ「何でも冷凍」ではなく、下ごしらえの手間が特に大きい食材から優先的に冷凍枠を割り当てるようにしている。ブロッコリー・ほうれん草・きのこ類の3つに絞るだけでも、平日の調理時間はかなり短縮できるはずだ。

節約食材は「安さ」より「使い切れるか」で選ぶべき理由

値上げのニュースを見るたびに、つい「もっと安い食材はないか」と探したくなる。でも今回の事例が教えてくれたのは、節約食材選びの本質は価格の安さではなく、使い切れるかどうかだということだ。

豆苗を2回使う。冷凍と生鮮を使い分ける。冷蔵庫の中身を見てから買い物に行く。どれも今日から真似できる工夫ばかりで、特別な家計管理の知識はいらない。むしろ、これまで「なんとなく」で済ませていた買い物の習慣を、少し立ち止まって見直すだけの話だ。

私自身、広告代理店にいた頃は「お得」を演出する側だった。割引率やキャンペーン文言を考えて、消費を後押しする仕事をしていた。今はその逆で、家族の食卓を守るために「本当に得なのはどっちか」を自分の目で確かめる側にいる。豆苗を水に浸けながら、そんなことをふと考えた。

この記事を書きながら、あらためて気づいたことがある。節約食材の情報は世の中にたくさんあるのに、なぜか長続きしない人が多い。理由は単純で、多くの情報が「何を買うか」だけを教えて、「どう使い切るか」まで教えてくれないからだと思う。豆苗も冷凍ブロッコリーも、安いから紹介したわけじゃない。使い切れる仕組みとセットになっているから、家計に効くのだ。

食品の値上げはこれからも続くだろう。正直、うんざりする気持ちもある。でも値上げのたびに「何を我慢するか」を考えるより、「今ある食材をどう使い切るか」を先に考えたい。そのほうが、家計にも心にもやさしいはずだ。今日紹介した工夫のうち、1つでもいいから試してみてほしい。

値上げは私たちの努力でどうにかなるものじゃない。でも、買った食材をどこまで無駄なく使い切るかは、今日の買い物から変えられる。ぶっちゃけ、節約って我慢することじゃなくて、こういう地味な工夫の積み重ねなんだと思う。旦那には「また豆苗育ててるの」って笑われるけど、この積み重ねが月2,000円分の値上げをちゃんと吸収してくれている。

サクヤ
Written byサクヤLifestyle Realist

ぶっちゃけ、続かない改善は意味がないんです。家計も家事も、楽になるか・続くか・家族に返ってくるか。その3つでしか見ません。AIも同じ。暮らしの現場で使える形に落ちるかどうかで判断しています。